予定地

いずれなにか書きます

しかし例のブログ本のレビューが「真面目に働いてください」「青少年に悪影響が」とかオンパレードで、読んでて相当食傷した。
すっごいお金持ちで頭の悪い若者が、アホみたいなお金の使い方するのって、もちろん空虚ではあるし道徳的にほめられたものではないけど、そういうところから何らかの文化が生まれることもあると思う。古くは太陽族とか野獣会とかはそういう感じだったし、最近のアメリカのファッションアイコンになってるセレブも「バカなお金持ち」ってジャンルが確実にあると思うし。そんなに目くじら立てる人っばっかりでも窮屈だなって思う。みんながみんなピューリタン的価値観で生きる必要もないんだし。
悔しいけれども、若いうちからジャブジャブお金かけていいものを使い倒さないと身につかない種類の美意識って絶対あって、そういう機会に恵まれた人が出し惜しみせずにそれをやってくれないと、なんか社会全体の気持ちが貧しくなりそう。(もちろん貧しい中で工夫して生まれてくる美意識もあって、それはそれで美しいものなので、優劣の問題じゃない。単に種類が違うという意味。)
ただ、アホみたいなお金の使い方するんだったら、とことんアホを突き詰めないと文化にならないとも思う。ハイブランドを「大切に使えば一生もの」とかみみっちいのはピューリタンにまかせて、エルメスのバッグににステッカーベタベタ張って使うジェーン・バーキンとか、YSLのドレスを「時代遅れだから」って言ってスカート部分を切って身ごろだけをジーンズに合わせた安井かずみとか、そういう領域まで行ってもらわないと。(そういう意味では例のブログ本はほんとくだらなかった。OLがボーナスで頑張って買うようなものばっかり買って大事に使ってても仕方ない気がする)
最近の芸能人ブログ見てて面白くないのは、みんな庶民ぶって「ささやかな贅沢でほっこり」みたいな生活感を無理に出して、赤ちゃんがすべったの転んだの弁当作っただのやってるからで、そうやって庶民ぶらないと「青少年に悪影響」とか言われちゃうから仕方ない。贅沢を堂々と公開して叩かれないのって叶姉妹ぐらいで、だから叶姉妹のブログはとてもおもしろいと思う。