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今年の頭ぐらいから家を買おうという気持ちになってて、いろいろ物件を見てて、ようやくちょうどいいのが見つかった。夏ぐらいに引っ越すつもりで、いろいろ手続きをすすめている。
当初、何軒か見ても、どうにもピンとこなくて「いつもだったらだいたい直感的にピンとくるスイッチが入るはずだけど、さすがに大きい買い物だしなあ」と思ってたら、来る時は来たので、なるほどそういうものかと思っている。私の場合「迷ったらやめる」でいいみたい。
引越し先予定地は、今の家から1kmぐらいしか離れてないけど、街の雰囲気は今とかなり違う。昔ながらの飲み屋街のど真ん中で、古いビルに囲まれてる。私がまだ子供だった時に建てられたような物件で、当時、お金持ちの友達の家に遊びに行った時のことを思い出すような懐かしい雰囲気もある。
そうやって「制約のある条件の中で何を優先するか」というところで、自分の本音の部分の好みがわかったのですごく面白かった。
最初に見せてもらったのは閑静な住宅街にある低層マンションで、自分なりに手をいれて住むのが前提の味のある物件だった。でも、自分で好き勝手に内装を考えるとなると気持ちが重くなった。私は何かをイチから決めることが得意ではないのだということがわかった。
その後、仮申込みまでは行ったけど先方の事情で正式な契約に至らなかった物件は、地下鉄の駅からとても近い、開発が進みかけているまだ新しい住宅街。環境は良かったし、築浅でセキュリティも万全でとても綺麗だったのですぐに仮申込みしたものの、その瞬間からなんか憂鬱になってきた。
なんか小綺麗すぎるし、どうも狭い気がする。面積自体は狭いわけじゃないんだけど、最近の物件らしくいろいろ凝った収納とかがある分、本来あるべきデッドスペースがないのが気になった。何より、街の雰囲気になんとなく人間味がなかった。
そうやって選んでいく中で、自分の好きなもの、嫌いなものが浮き彫りになっていって、最終的に決め手となったのは、むしろ物件の欠点にあたるような部分だった。窓から見えるのがビルの裏口だけで殺伐としてるとか、そういうところ。でも、それ以外の部分は意外にもノーマルで、癖のない間取りだし、ごく普通にリフォームがほどこしてあってそのまま住める。何より昔の物件はどこかスペースに遊びがあって広い。イメージしていたとおりだった。(欲を言えば東向きだと良かったんだけど)
往々にして完璧なものより欠点のあるもののほうが好きなのは、自分に自信がないからではなくて、むしろ、その欠点のところに無二の味わいがあるからだと思った。人間も同じだ。
とりあえず今は引越しに向けていろいろ手続きしたり大変だけど、次の誕生日にはもう新しい家に住んでるのかと思うととても楽しみ。一部屋増えるから京都に来る人がいたら適当に泊まってもらえそうだし。四条大宮、良い街ですよ。