予定地

いずれなにか書きます

なにもかも失ったとき、の話

何もかもを失ったときに何が残りますか、という問いがあって、その時に、とりあえず身体一つは残ることを想定して答えようとしたけど(たぶんそれを前提とした問いだとも思うけど)、たとえば「ジョニーは戦場に行った」の主人公みたいに動くことも声を発することも何かを見ることもできず、人前に姿を現せる見た目でもなくなった場合のことを考えると、かなりシビアな問いになると思う。
そうなったときに残るものって、たとえば医療機関の人とか、自分が頼って生きている(というか頼れなければ死んでいるだろう)という繋がりしかなくて、そこに感謝を持ち得るなら少しだけでも手の中に残ったものはあるって感じはする。また、それによって医療従事者は最低限でも賃金は得られてるわけで、その他にも実習用の教材とか症例データとしての価値もあるかもしれない、そう考えると自分が間接的に与えられるものはあると言えなくもない。
一人で生まれて一人で死んでいくっていうけど、生まれるときも死ぬときも少なくとも誰かの世話にはなっていて、人間は完全に自立した存在とは言えず、最終的にはそういう依存関係だけが最後に手の中に残る(その手を失っていたとしてもだ)何かの救いとか価値なのかって部分もあって、なんか考えてるうちになんとも言えない気持ちになった。