予定地

いずれなにか書きます

若い人としゃべってて、お酒入ってたからだいたいロジックは雑なんだと思うけど「日本の年収はどんどん下がっていて、親が自分の年代で手に入れられていたもの(家とか車とか?)をもう自分は手に入れられない、こういう風に尻すぼみになっていってるんだから日本は終わりだし、生きていても意味がない」みたいなこと言ってて、おやおやって感じだった。

彼の親の世代って、たぶん私のちょっと上ぐらいのバブル世代なのかなって思うけど、あのころは逆に「若いうちから消費だけ覚えるのはゆがんでる」「モノと金におぼれても日本は精神が貧しくなるばかり」みたいのが識者の認識だったと思うし、結局その通りで、その辺の世代の精神の荒廃っぷりってかなりおそろしい感じもある。

私の場合は、あれから比べると、世の中はマシになってる、自然な方向に進んでる、生きやすくなってるって思ってたから、逆にそう言われて心底びっくりしたというのが本当のところ。

「誰かが持ってるなら借りればいいじゃない」「別にいらないものを持つ必要はない」って価値観がわりと浸透してるいまでは、別に持ってないことが不幸って感じはしない。冷静に考えると、幸せを手に入れるために必要なコストは下がっている感じがする。デフレともいうけど、市場経済を最大規模で回すことが正義じゃないという感じはある。

でも、そこに高度成長期とかバブルの頃にみんなが持ってたような「誰かが持ってるものを自分が持ってないことは不幸だ」みたいな認識をもったまま、この世界にやってくるとものすごく不幸になるんだな、と思った。

団塊ジュニアというか氷河期世代については、わりと認識面でのパラダイムシフトを経てるから、意外に現状を受け入れつつ乗り越えるみたいな感じになってるけど、その下の世代は結構大変なのかも知れないなあ。特に都市部。

あと、自分がそういう「所有の呪い」みたいなものの恐ろしさを身にしみて知ったのは上の世代が亡くなりだしてからなので、もう少し大人になったら認識も変わってくるかもな、とか思った。( あ、そうか地方の子は小さいうちからわりと親族とか近所の人の死に様を見ることが多いけど、都市部である程度お金持って暮らしてるとそれをあまり見ないからか、と合点がいった)