予定地

いずれなにか書きます

読書とお酒は似てる感じがする。

たとえば、読書において好きなジャンルがあって幅広く抑えてる、みたいのは、お酒において「ワインに強い」「ビールが好き」みたいなのと似てる感じがするし、この作家のこういうとこが好きとかそういうのを言語化するのは、お酒を飲む時に、どの銘柄のどのお酒がどういう感じでおいしいか、みたいなのと近い感じがする。

実際、私の知り合いでお酒に詳しい人はたいてい読書家だし、読書家が自分の読んだ本を脳内データベースなり、あるいは個人的なメモとして残すみたいなのを、お酒好きな人たちも結構やってる感じがする。

翻って自分は、読書は好きだけど、あまり好きな作家とかいないし、幅広いジャンルが好きで幅広く抑えてるとかいうこともそれほどなくて、正直「ミステリーとかホラーは苦手、特にサイコものとか人の悪意を書いたやつはダメ」ぐらいの枠組みしかない。ガルシア・マルケスとか好きだけど全部の作品網羅してるわけでもなく、難しいことは語れない。

でも、この作品のこういう言い回しが好みだったとか、これは今ひとつ面白くなかったとかそういう感想は持つので、決してなんでもありではない。

で、詳しい人にそうやって感想を言うと「これ好きそう」みたいなのを薦めてもらえるのはお酒も読書も一緒で、だいたい飲みに行ってもカウンターに座って「今日はこれ」みたいな感じで勝手に出てくるのを飲んでることが多いし、勝手に出してくれる店が好きだ。最初はラベルを覚えようとは思ってたけどいい加減に酔っ払うと忘れてしまったりするし、そもそも、うんちく語るのに向いてないと思う。

だからお酒にも文学にも永遠に詳しくならないし、でも詳しくないことによる偶然の出会いみたいのも楽しいと思うので、それはそれで良いかとは思ってる。