予定地

いずれなにか書きます

女子の文体

「女子」の文章の典型って「枕草子」で、あれは、基本的に「こういうことがあって私はこう言ってこう思った」と「私はこれが好きでこれが嫌い」ってことに終始しているんだけど、同じような随筆文学でも「徒然草」は、「こういうことがあってこうだった」という話の後に「だからこうするべきだ」という教訓がつく。「私はこれが好き」で終わらずに「これが良いものなのだ、そうでないものはけしからんのだ」とか「古くからこれがよいと言われているのだ」という絶対的な価値を打ち出してくる。

いわゆるプロブロガー(ほとんどが男性)は、たいてい「徒然草」のような書き方をしていて、日常的なテーマを書いているときでも、よく生きるための教訓や、こうあるべきといった正しさを模索してるように思う。でも、女子ブロガーはそこには着地しない。男の人が「女の話は結論がない」って怒ってることがあるけど、結論も教訓もなしに文章を終わらせられるのが女子なんだと思う。

そう考えると「社会派」の部類に入るちきりんさんは、実は女子ブロガー的なアプローチをしていて「今、社会はこうなってるように見える」「私だったらこうするかも」とまでは書くけど、最終的な結論は「そんじゃーね」って投げっぱなし。おそらくそれにいらだつ人も多いのだろうし、責任逃れとか、もったいぶってるようにも見られるのだろうけど、「だからこうしなさい」って締めたくない、そういう気分はとても共感できる。

はてな女子」が話題になってるけど、女子のブログを女子らしくしているのは、言葉遣いとかテーマの見た目とか名前とかタイトルじゃなくて、そういうスタンスなんじゃないかな、と思った。