予定地

いずれなにか書きます

12/26

この間、電車の中でなんとなくiPhoneでハイクにスターをポチポチポチとつけていると、なんとなくオリオンの三ツ星の星の名前が頭に浮かんだ。その夜、ふと心惹かれるものがあってなんとなく呑川緑道沿いを自転車で走ったら、やはり冬の空が綺麗で星がきらきらしていた。三ツ星のイメージが心から離れなくなった。

その前から、なんとなく海に行きたいとは思っていた。海のそばで生まれたからか、長い間海に行ってないとなんとなく落ち着かない。最近、自分の中で無駄に執着しているようなことが多く、なんとなくお祓いして流してしまいたいという気持ちもあった。そういえば、生シラスも食べたかった。1月2月は禁漁で、春になったら引っ越すから今行っておかないと、そうそう食べられなくなってしまう。

そういうなんとなくな諸々が全部符合してなんとなく江の島にいったのです。ちょうど、晴れていて寒くて風が強くて波が荒れている絶好の江の島日和だった。

江の島に入ったところの坂道の雰囲気は清水寺の三年坂とかにちょっと似ている。というか、遠足で行くような観光地のすべてに共通する雰囲気。貝のネックレス、にせもののパールがついたネクタイピン、木刀に面白Tシャツ。お土産物にただよいまくる昭和感。昔はすごく嫌いだったけど、おばちゃんになると安心感をおぼえる。

まず、辺津宮で茅の輪くぐって人型お供えしてきた。茅の輪ってタロットカードの「世界」に似てるし、ユダヤの過ぎ越しの祭りにも似てる。スサノオ信仰自体に中東起源説があるので、まあ、そのへんいろいろ混じってるんだろうな。

コッキング苑の横で休憩してたら、猫がいて、写真撮ってたら無警戒にすりよってきて、最後は膝の上に乗ってきた。吹きさらす海風の中に座り、膝の上の猫を撫でてまったりした気分になるのは、なかなかに得がたい体験だった。松村先生は「神社や遺跡に呼ばれて行く時は、眷属が寄ってきたりする」みたいなこと書いてたけど、ここの猫はそういう種類のものなのかはよくわからない。

膝の上に乗ってくる猫を撮影するのはとても難しい。

お昼は、ちょっと贅沢して、しらす三昧定食+八海山。

周囲がカップルばかりでも一人で海を見ながら生しらすを肴に日本酒が飲めるようになったのはいつごろからだろうか……


沖津宮、奥津宮とすすんで三女神に全部お参りした後、強い風に飛ばされそうになりつつ波の写真を撮ろうとしたんだけど露出の調整がどうしてもうまくいかなくて、ことごとく失敗した。でも、そのぶん波のディテールを日ごろよりたくさん観察することができたので、良かったかも。どこか行く時にカメラとか画材を持ってると便利。荒れてる海を一人手ぶらでじーっと見てたらただ単にあぶない人だし…

岩屋にも潜ってみた。本来の江島神社は岩屋の一番奥にあるらしい。

入口のところがLEDでライトアップされてて妙なハリボテっぽい像が飾ってあったりでどうかなーと思ったら、一番奥の分岐のところで灯明を渡されて、それなりに暗い洞窟感があって、空気がもわっとしていて、悪くはなかった。

なんとなく、日本三大弁天巡りという企画が思い浮かんだので、来年は竹生島厳島に行こうという目標ができた。


前に江ノ島に来たときには好きな人が一緒だったので、それを思い出して寂しくなるかと思ったら、一人のほうがなにやら心浮き立つものもあったりしたのは、少し意外だった。一人のときは一人でどこにでもいこう。二人のときは二人で。