予定地

いずれなにか書きます

世界を放浪した人は、しばしば、現地の住んでる町から一生出ずに暮らしているお年寄りの話に感銘を受けたと言う。若者は放浪に憧れるけれど、フラフラせずにしっかり根を張って生きることによって出て来る凄みもある。

どこにいるかはともかくとして、暮らすことをおろそかにして旅に出るとしたら、それは私はあまり好きじゃない。

京都で生まれ育ち、町家に一人で住み、たくさんの暮らしの本を書いた大村しげさんは、晩年はバリ島で一年の半分を過ごすようになり、バリ島で亡くなられた。残された本を読む限り「ここではないどこか」を探すのではなく、どこにいても常に「ここ」で暮らしておられたようで、だからかっこいいんだろうな、と思う。

京都・バリ島 車椅子往来

京都・バリ島 車椅子往来