予定地

いずれなにか書きます

希死念慮の波打ち際みたいなところを歩いてると、ほんとにすごいタイミングで波がやってきて、そのままさらわれることがある。

ずっとそこを歩き続けた末に、波にさらわれてしまった人を、何人も見てきた。自ら選ぶ死だけではなく、偶然のような必然のようないろいろな理由で訪れる死。その引き金が何であっても、こちらが受ける印象はそんなに変わらない。波にさらわれたみたいで、あまりにもあっけない。

彼らはそこが好きで選んで歩いているように見えたし、こちらもずっとそこを歩いている姿を当たり前のように見ていたから、それが必然なように思えて眺めているだけだった。でも、やっぱり大事な人がいなくなるのは悲しい。だから、最近はどうかそこを歩くのはやめてって言ってる。

できるだけそこから遠ざかって欲しいと思う。無理に歩くのをやめて砂浜に座って休んでもいいと思う。足に水がかかるあの感触が救いに似ているような気がすることとか、なんとなくわからなくはないんだけど、それだけに、さらわれないようにつなぎ留めておきたいと思う。