予定地

いずれなにか書きます

私は「横暴な父親に甲斐甲斐しく仕える母親」みたいなのを美談にする風潮が、とにかく嫌で、もしもそれが美談になりえるならブラック企業で過労死するのも美談だと思うんだけど、不思議に家族の間だとどんな非道も許されるというのが、何かおかしいって思う。

「若いころ泥のように働いたのが私の財産です」って言うのが「社畜自慢乙」みたいな感じになるなら「うちの母は一生文句も言わずに父につかえました。尊敬しています。」は「奴隷自慢乙」でしかない。人様の家族にそういうのも失礼だけど、究極的には家族であろうが会社であろうが自分の選択の結果なのだから、前者がおかしいなら、後者もおかしいと思う。

人生において本当に大切なこと、それは「自分自身をどう生きるか」という芯のようなもので、その芯がしっかりしていたら、自ずからそれを取り巻くものもまともになるものだと思う。たとえ他人から見てちゃんとしてなくても。

芯を他人に売り渡しているからこそ、表側を取り繕わないとグズグズに崩れていく、「丁寧な暮らし」の裏側にそういうのが見えると一気に気持ち悪くなる。