予定地

いずれなにか書きます

一年以上も前に一度だけ会った人に対して「何か持っていかれそう」って印象をもったことがあって、その人がその頃のことを今になって語っているのをたまたま読むことになった。わりと腑に落ちる感じだった。
向こうは私のことなんて覚えてないと思う。でも、その後、数ヶ月「持っていかれないために」ものすごく自分のありかたを見つめなおすことになった。とてつもなく非対称すぎて悔しいけれど、人間関係というのはまれにそういうこともあると思う。相手が不在のままに自分の中でその関係からのフィードバックだけが熟していくのだ。
その人にあった日に見た夢を覚えている。下腹部から大きな花が咲いて、その花びらを無表情にその人がむしり捨てていくのだ。そのたびに鈍い痛みが走った。けれどその痛みに確かに喜びを感じていた。花びらの色はノウゼンカズラの淡いオレンジだった。