予定地

いずれなにか書きます

「イタい」って悪口は使わない方がいいなあって思う。
悪口だから悪いのではない。「嫌い」「ダサい」「醜い」そういう悪口は全部主観だけど、「イタい」って言葉は、誰かの何かの振る舞いや見た目が、世間から「イタく」見えている、という意味を含んでいる。他者の視線や世間一般の価値観を借りてきてる悪口なので、それがよくない。
なんでよくないか。それは「イタい」という時に借りてきた他者の視線が、今度は内面化して自分の行動を縛ってくるから。
具体的な例をあげてみる。「いい年してミニスカート履くのは醜い」と言った人が「で、私は30過ぎてるからミニスカートは履かない」ならスジが通っている。自分の美意識の問題だ。だけど「いい年してミニスカート履くのはイタい」といってしまうと「私は30過ぎてるからミニスカートは履けない」って、なってしまわないだろうか。そこがかなり問題だと思う。
自分の美意識に潔癖なのは悪いことじゃないけど、自分の中に内面化された他者や世間(そんなもの存在しないのに)というものを基準にしてしまうと、絶えず「自分がその基準からずれていないか、イタくないか」ということが不安になってしまう。よく発言小町で揶揄される「私は間違ってないですよね?」「○○歳で××っておかしいですか?」っていう質問を普通にするようになってしまう。結果的に、他人を「イタい」って嘲笑したことによって、自分の人生が窮屈になる呪いをかけたようなものだ。
同じやらない選択を下すとしても「自分の価値観によってやらないと決める」のと「世間一般はこうであろうと勝手に推察した基準によってやれないと決める」のとは全然違う。