予定地

いずれなにか書きます

8/14

まあ鬱だ鬱だといっても、40年近く生きてるとそれなりの対処法がある。ちょうど今は京都にいるわけで、だいたい自分の気が補充される場所というのはわかっている。

かつて京都にいたころは、今よりもっと将来に未確定要素が大きく、また、自分の裁量で決められることも少なく、自分でできることも大したことなくて、たいていの恋愛はうまくいかなくって、今よりもっと無気力だった。やる気なくトロトロとママチャリで鴨川沿いを走ってると、その頃の気持ちを思い出した。別に特別じゃなくて昔から私はこんなもんだわな。


川端丸太町のカフェ「リュエルゴ」
カフェブームよりずっと前から花屋さんの顔したオープンカフェ。昔も、元気なくなると鴨川沿いをトロトロ自転車で走って、ここで冷たいお茶飲んでケーキとかクロックムッシュとか食べてたなあ。すなわち今もやること変わってない。
ちょうど、@alyssumが「アーモンドトーストが作れるアーモンドバター」を姫路のお土産に買ってきてくれたのでここで合流。なんか最近姫路ではそのようなものを名物として売り出してるらしい。

その後、下鴨神社で開かれてた古本まつりで本を物色してきた。糺の森が全部古本の露店で埋まってるのが諸星大二郎の漫画みたいだ。普通に、異形の客と店主だけの露店が混ざっていそう。古本のの匂いおっさんの匂いたばこの匂い。
第一次ヨガブームのころのヨガ本とか、易の本とか、金子光晴の死ぬ直前のエロ話を聞き書きした本とか、茶道の入門書とか買った。で、神社に参拝して、おみくじ引いてお守りもらってきた。まあ本殿に祭ってあるの京都の神様だから、京都で無事息災に暮らせますように的なお願いするにはいいんじゃないかと思った。この時点でもう暑くてフラフラしてたけど。
おみくじは「平」。ぱっとしないといえばぱっとしないけど、まあ、ぱっとしないからその通りである。「縁談:少し時間をおいてみる。<<もえくいには火がつきやすい>>(なぜか太字)」「交際:あなたと交際しようとしている人はいくらもいる、もっと身辺を見まわしまじめにつきあうべきである」。はい。ついでに相生社のえんむすびおみくじもひいてみた。これは源氏物語にちなんだおみくじだけど、これが「蓬生」。待っていれば事態が開けるという。まあ、今のボロボロぶりったら「蓬生」の末摘花に通ずるものがありますかねと思いましたが、よく考えると私が源氏でありまして、帰ってくるのを待ってる誰かがいると取れなくもない。いずれにしても、いい兆しということで。


ちょっと日が陰ってきたので、そのまま京都御所にむかった。ここにはとても大好きな大きな木がある。疲れたら、木の太い根っこに座ってお茶飲んだり、本読んだりしてた。
梅林と桃林の中に突きぬけて大きい木があるから、すぐわかる。あんまり変わってなかった。待っていてくれたとかロマンティックなことは思わないけど、元気そうで何より。

しばらく木の根っこに座って本読んだ。体や心を預けられるとても大きな生命があって、それに触れられるのはとてもいいことだと思う。パトラッシュみたいな大きな犬は飼えないし、人間はそうそばにいてくれない。その点、植物はいつでも会いに行けていいと思う。

帰ってきたて冷たい緑茶飲んだら暑さにあたってすぐ眠くなった。2時間ぐらい昼寝した。インド舞踊習う夢を見た。たくさんの女の人にサリーを着つけてもらっていた。緑色できれいだった。気付くと、心の疲れは、若干軽くなってた。