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いずれなにか書きます

恋も仕事も思いのまま (集英社文庫)

恋も仕事も思いのまま (集英社文庫)

ジムで久しぶりにこの本を読んだ。1983年に日本版が出版された本で、著者は女性誌コスモポリタン*1」の編集長を長くつとめた、いわば「コスモポリタン」の顔みたいな人。

当時61歳のヘレンさんが、若いキャリアガールに対して生きる知恵を教えるみたいな本なんだけど、今読んでもあんまり古びてない。30年経ってるから、出てくる人物とか商品とかところどころの描写はまあ古いんだけど、考え方のバランスがいいんだと思う。
2010年代のキャリア指南っておそらく2極化してて、一つは偏差値高い大学を卒業して、そのままハードワーク前提の高収入職につく。そこで仕事の流儀を覚えて、起業したり起業まもない会社の役員になって成功するパターン。そういう人がシモジモに効率のいいお仕事術を教えてくれるというやつ。もう一つが、自分らしさ、みたいなことを売りにしてそういうレールから完全に離れていこうぜって感じ。

でも、この本は、ヘレンさん自身が17歳で秘書になってから、ずーっと地道に努力してきた体験を書いてあって、言ってることがイメージほど浮ついてないのがいいと思う。普通の会社でぱっとしない仕事をしながら少しずつ自分にしかできないスキルを身につけてチャンスを掴んでいく方法って、結局は、なにより誠実に仕事に取り組むことなんだなと思う。

10年前にも自分のブログでこの本を紹介してたけど、今回、あらためて管理職の心得的なところを読んで「ほんまそれな」って気持ちになった。

しかし、管理職の心得からフェラチオのコツまで書いてある本なんてなかなかないし、ああ、それがコスモポリタンって雑誌だったなとも思う。

*1:全世界で各国語バージョンが売られているが、どの国でも表紙に必ず「セックス」という単語を入れるルールがある。日本版はすでに廃刊