予定地

いずれなにか書きます

サポートをないがしろにする現場は最悪、みたいな話すると表面的には共感してもらえることが多いけど、本質的なところであんまり話が伝わってないことがある。サポートを大事にするというのは口先で感謝したり給料を上げたりすることだけではなくて、議論をする権限、意思決定の権限、いわばプロとしての尊厳をサポート担当者に与えるということだと思っているんだけど。

私は、エンジニアが労働集約的に人月換算されて投入されたあげく使い捨てにされうのを嫌うのと同じように、サポート担当者がそういう扱いされるのを嫌がってるんだと思う。でも、それ明示的に嫌がる人、実はあんまりいない。企業がサポートに力を入れるという話になるとだいたい増員であり、さらに大規模なサポセンを地方とかに作って地元の雇用創出してます、その地方の平均単価より高い(もちろん東京の本社正社員よりははるかに安い)のでみんな待遇にも満足してます、みたいな話になるのがなんか好きになれない。

究極的には人力でのサポートなんていらなくなるのが最高って本気で思ってる。これも面倒だから嫌がるのだろうとか、工数を減らしたいからそう思ってるんだろうって誤解されるんだけど、そんな話じゃない。だいたい、ユーザーの立場で考えると、何かあるごとにいちいち誰かに質問したり頼んだりしないといけないというのは、普通に考えて体験として全然よくないじゃないかって話であり、手動で何かするより自動でできたほうが早いじゃないのって話である。

(まあ、寂しい老人が話し相手欲しさにコールセンターに電話することはあるけど、そういうのはそういうので別の商売だと思う。で、そういう種類のサービス業は最後までなくならないのではないかとも思うけど、認知症の老人の症状がロボットペットで緩和されることもあるらしいので、意外に相当のレベルまでリアリティのある人工知能に置き換えることもできるかもしれない)

なんか、サポート部門作るの、どちらかというと人月よりの思考の人が多いと思う。エンジニアの人は、人月の神話嫌ってるし、と究極的には保守のための工数ゼロになるのが理想みたいな世界観をわかってくれることが多くてビジョンを共有しやすい。そこをスタート地点にすると、意思決定権限を持たされずに指示にそって決められた対応を行う人が大量投入されることをよしとする状況=ないがしろにされてる、って考えは自然だと思うんだけど、なんかいつも一から説明してる。