予定地

いずれなにか書きます

新しいサービスを見ると、悪用の仕方を考えてしまう。そういう話をしたときに「職業柄仕方ないやんな」って悲しそうな感じで言われたんだけど、実はけっこうワクワクしながら悪いことを考えてる。私はそんなに悪い人間ではないと思うけど、悪いことするのは楽しい。自分だけうまくやるのは絶対楽しい。

私、2歳の時に水槽に手を突っ込んで金魚を握りつぶすという鬼のような悪行を働いたらしいんだけど、その時は感覚的にすごい気持ちよかっただろうし純粋に楽しかったはずだ。(ちなみに思い起こせばうちの金魚は養魚場で選んで買ってきたちゃんとしたやつだった。親と養魚場に通った記憶がある。)(あと、水盤で育ててた水生多肉植物のスポンジ状のところを握りつぶして泡を出すのも大好きで、親に見つかると叱られるから目立たないところから一つずつ潰していた記憶がある)

当然、今はそんなことはしない。でもそれは金魚がかわいそうという想像力とか、無益な殺生はダメという倫理観を身に着けたからそう思うのであって、スパム投稿をする人間の中には純粋に「インターネットでスパムをするのは悪いこと」という価値観がない人も多くいるし、画面の向こうに人がいるという想像力を持たない人もいる。親のクレジットカードを勝手に使う子どもはクレジットカード決済の仕組みを知らなかったりする。

そういう人は単にそれを身に着ける機会なく育ってきたというだけで、何か欠陥があるのではない、ごく普通の人間だと思う。そして、そういうごく普通の人が楽しいとか利益になるとかいうことで自然に行動した結果が運営者から見るabuseなのだと思ってる。(まあ、本当に悪意のある悪人もいるし、そういうのは本気で地獄に堕ちろって思ってるけど)

だから、ルールとか規約作ったり、システムの整備によってabuse対策を行う時は、そっち側の人の視点になってワクワクしながらサービスの穴を探してる。で、いつもの自分の視点に戻ってそれをふさぐ方法を考える。こういう視点の移動が自分にとっては純粋に楽しい。

ライ麦畑から子どもが落っこちるのを捕まえる仕事がしたいといってたお兄ちゃんに向いてる仕事だと思う。